
copyright:21世紀歌舞伎組/中日劇場
冒頭、左右に上下に分かれたボックスのようなものがあり、それぞれのボックスに一人ずつ男。中央上段にバイクを止めたユキヒコ(段治郎)。中央下段には、自殺サイトの人々。ユキヒコは、今から自殺をしようとしている。
と、ナカナカ良い冒頭。まあ、わざわざ現代風にする意味はあるのかとか、自殺サイトの場面が微妙だととか、色々ありそうですが、試みとしては良いと思います。段治郎はバイクがよく似合う。
ユキヒコは、トラックの運ちゃんに止められるも、自殺を試み、島の老人に助けられます。そして、その手術の最中にイカガワシイ宇宙人たる右近登場!!( ̄д ̄)
いいね。べらんめぇ調な宇宙人。
その後、江戸時代へと時代は飛び、雪之丞の世界になっていくわけです。
感想としては、まずは、盆を非常に巧く使っている。こういった舞台装置というのは、使っただけとなりやすいものですが、使い慣れた道具として馴染んでいるのが印象的でした。さすが、歌舞伎組。
それから、段治郎の女形が、凛々しい。やはり普段立ち役の人が女形をやると、凛々しいもんなんですな。もう少し色気が有った方がいいのかもしれないですが、これくらいでいいと思う。
猿弥もいい。雪之丞が仇討ちを止めてしまおうと思った時に、猿弥がそれを覆すほどの憎々しさであるからこそ、雪之丞の悔恨が生きる。やたらメソメソせずに、絶妙なバランスで段治郎が悲しみを表していたのだが、それを良く支えていた。ぶらぼーだ。
逆さに死んでいるところも良い死にっぷりだった。
最後に、江戸の場面から板付きでそのまま現代の場面になるのだが、その時に波路が医師のタカミヤであるというのは女形だからこそ出来る演出でいいですね。
江戸時代に雪之丞が言った台詞をそのまま、タカミヤが言った時には、ちょっと泣いちゃったよ(秘密)。
台詞自体は、あまり良い台詞ではない(ややセンスが微妙。これは自殺サイトのシーンなどにも言えるが、全体的にレパのセンスが古い。キーになる台詞なんだから、もうちょっとどうにかならんもんか)のに、そこで良い場面に出来るのは、やはり笑也と段治郎だからでしょう。
21世紀歌舞伎組は、ウマイ!!
最後は、何故か右近が宙づりだったわけですけれども、あの難しい間を良く持たせてました。腕組みして唸るだけで、人の目を引きつけるのは流石ですな。
右近は、色んな人を幸せにしているなあ…。
しばらく、歌舞伎が続きそうなので楽しみだ。遠征して良かった。
國王さまは、かなりの歌舞伎組ご贔屓とご推察いたします。
わたしは足元にも及ばぬまだまだ未熟者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
>波路が医師のタカミヤであるというのは女形だからこそ出来る演出でいいですね。
全面的に歌舞伎組らしさにあふれて、初心者にも楽しんでいただけた「雪之丞変化2006」でした。
特にご指摘の、江戸→現代への移り方は良かったと思います。「繋がってる」感に、じ〜んときました。段治郎さんの凛々しさも程良くかっこよかったです。
三越歌舞伎は行かれますか?私は残念ながら観劇が叶いません。國王さまのご感想を、楽しみにしています。
コメント+トラバありがとうございます。
こちらこそ、まだまだ見始めたばかりなのでよろしくお願いします。<(_ _)>
小栗判官での段治郎さんのイメージが強かったのですが、雪之丞が綺麗でびっくりしました。歌舞伎の人ってのは凄いもんですね。
三越歌舞伎は行く予定だったような気がします。行ったらまたガシガシ書きたいですね。